
代表 中津川 浩章 (なかつがわ ひろあき)
美術家 アートディレクター
アーティストとして国内外で展覧会多数。記憶・痕跡・欠損をテーマに、ブルーバイオレットの線描を主体としたドローイング・ペインティング作品を制作。ライブペインティング多数実施。2019年、ロヴァニエミ美術館(フィンランド)「精神の〈北〉へ」出展。
25年ほど前から障害がある人たちの表現活動のサポートに関わるようになり、アートディレクターとして福祉施設のアート活動全体のディレクション、定期的にワークショップの実施、展覧会のキュレーション、個々の作家や作品に対するアドバイスなどをおこなう。20年にわたり専門学校や大学で美術・デザインの専門教育に携わる。アート、福祉、教育と分野を横断して、社会とアートの関係性を問い直す活動に取り組んでいる。
福祉施設以外にも、障害者のためのアートスタジオディレクションやアート寺子屋の運営、展覧会の企画・プロデュース・キュレ―ション、画集企画・編集などを手がけ、アートコンペのディレクション、選考委員などを務める。
現代アート、美術史、アウトサイダーアート、インクルーシブ教育などをテーマに、美術館、大学、福祉施設、特別支援学校、企業などさまざまな場で授業レクチャー、講演セミナー、執筆等をおこなう。
障害者、支援者、子どもから大人まであらゆる人を対象に、アートワークショップを全国で行っている。震災後のトルコや福島、仙台でも開催。アーツ千代田3331スタジオでは、バリアフリーの制作サポート教室「エイブルアート芸術大学」を運営する。
1958年生まれ
和光大学芸術学科卒
一般社団法人Art InterMix/代表
一般社団法人Arts Society Asian Network/理事
認定NPO法人アール・ド・ヴィーヴル/理事/アートディレクター
日本財団DIVERSITY in the ARTS/選考委員
Art to You!東北障がい者芸術全国公募展/選考委員
ビッグ・アイ アートプロジェクト/選考委員
埼玉県障がい者アート企画展/ディレクター

可能性を切り開くもの
障害のある方の表現活動において、クオリティの高い作品そのものが生む芸術的価値はもちろん大切です。そして同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのは、もうひとつの言語としての価値です。
重度の障害があってうまく意思疎通ができないと思われている人たちにとって、表現活動は、とても重要なコミュニケーションツールになります。そのコミュニケーションが可視化されたものが、障害がある人たちにとっての、いわゆるアート活動なのではないでしょうか。
このことは、福祉の世界においてだけでなく健常者の世界においても、じつは大きな意味を持ちます。生きることの痛み、その痛みこそが、障害の有無に関係なくアートを生み出すということ。痛みこそがアートの可能性を切り開くものなのです。
アートは希少性と才能の世界、福祉は平等性と公平性で成り立つ世界。交じり合わない平行線のような二つの世界が、深い場所で融合し、新しい価値を生み出しているのです。